令和7年度 基本情報技術者[午前]

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令和7年度(2025年)春期
令和7年度 基本情報技術者[午前]

皆さまからのご意見を参考に,この解説をより良いものにしていきたいと思います。
「私はこう解いた」「こういう説明の方が分かりやすい」など、
具体的なご意見がありましたらお問い合わせフォームまでお寄せください。

なお、令和7年度 基本情報技術者試験 解答速報については、公開されている一部の問題(科目A)の解答となりますので、予めご承知おきください。


問1
解答 エ
ファインチューニングとは,事前学習済み機械学習モデルに追加で学習させることで特定の業務や目的に特化した高精度なモデル作成すること
ア 「強化学習を行い,最適な結果が得られるようにする。」は強化学習とファインチューニングは関係ない
イ 「事前学習と同じデータを繰り返し用いて学習を行い,モデルの精度を高めるようにする。」は過学習の原因となる
ウ 「大量のテキストデータを用いて学習を行い,モデルの精度を高めるようにする。」は事前学習の説明
エ 〇 「特定のデータを用いて追加で学習を行い,目的とするタスクに適用できるようにする。」ファインチューニングの説明
問2
解答 イ
ア 「演算結果がコンピュータの扱える最大値を超えることによって生じる誤差である。」はオーバーフローの説明
イ 〇 「数表現のけた数に限度があるので,最下位けたより小さい部分について四捨五入や切上げ,切捨てを行うことによって生じる誤差である。」丸め誤差の説明
ウ 「乗除算において,指数部が小さい方の数値の仮数部の下位部分が失われることによって生じる誤差である。」は情報落ちの説明
エ 「絶対値がほぼ等しい数値の加減算において,上位の有効数字が失われることによって生じる誤差である。」は桁落ちの説明
問3
解答 イ
2分探索木の大小関係は左<親<右の順番
d<b<e<a<f<c<g
問4
解答 ウ
稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)で求めることができる。
MTBFは現在4,000 時間,毎年 100 時間ずつ改善するとあるので,6年度は4,600時間になる。
MTTRは現在1,000 時間,毎年 100 時間ずつ改善するとあるので,6年度は400時間になる。
6年後の稼働率は4,600÷(4,600+400)=0.92
問5
解答 ア
ローコード開発とはできるだけ少ないコードでアプリケーション開発を行う手法のこと。
ア 〇 「アプリケーションソフトウェアの開発基盤の上で,用意された部品やテンプレートをGUIを用いた操作で組み合わせたり,必要に応じて一部の処理のソースコードを記述したりすることによって,アプリケーションソフトウェアを作成する。」
イ 「アプリケーションソフトウェアの開発基盤の上で,用意された部品やテンプレートをGUIを用いた操作で組み合わせるだけで,ソースコードを記述せずに,アプリケーションソフトウェアを作成する。」はノーコード開発の説明
ウ 「アプリケーションソフトウェアの定型的な枠組みを参照して,独自の処理のソースコードを記述することによって,アプリケーションソフトウェアを作成する。」ノーコード開発と定型的な枠組みは関係がない
エ 「利用者がシステムを利用して行う作業を自動化ツールに代行させるために,利用者によるシステムの操作手順をツールに登録する。」はRPA開発またはマクロの説明
問6
解答 ウ
SELECT * FROM 商品 WHERE 仕入先ID IN ('M002', 'M004')
WHERE句にあるINはカッコ内のいずれかと一致するという意味で仕入先IDが'M002'または 'M004'という意味。
よって,SELECT * FROM 商品 WHERE 仕入先 ID = 'M002' OR 仕入先 ID = 'M004'が同じ結果を得ることができるSELECT文。
問7
解答 エ
1Gバイトの動画データ,20%の制御情報を付加すると
1.2G(1,200M)バイトとなる。
このダウンロードに5分(300秒)かかったとあるため,
実効速度は
1200Mバイト÷300秒 = 4Mバイト/秒
回線速度は40Mビット/秒,単位をバイトにそろえると
40Mビット/秒÷8ビット=5Mバイト/秒
よって,回線利用率は4Mバイト/秒÷5Mバイト/秒 = 0.8(80%)
問8
解答 エ
HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)は,HTTPにSSL/TLSのセキュリティ技術を組み合わせたプロトコルで
WebブラウザとWebサイト間との通信を暗号化し,安全にやりとりを行うことができる。なお,SSL通信を行うためにはWebサーバにSSLサーバ証明書をインストールする必要があり,これにより,サーバを確認することが可能となる。
ア 「cookieに保存されている情報を用いたセッション管理が可能である。」はHTTP通信でも可能。
イ 「IDとパスワードによって利用者の認証を行うことが可能である。」利用者認証はHTTP通信でも可能。
ウ 「Webブラウザでキャッシュさせることによって通信量を減らすことが可能である。」WebブラウザでキャッシュはHTTP通信でも可能。
エ 〇 「通信相手先サーバをサーバ証明書によって確認することが可能である。」
問9
解答 ウ
暗号の危殆化とは,暗号方式やアルゴリズムが技術が進むことで安全性を確保できなくなる状態のこと。
選択肢ウの「あるハッシュ関数においてハッシュ値が同じになるデータの組みを現実的な時間内で発見する方法が見つかった。」はデジタル署名の目的である送信者のなりすましや,改ざん検知などで重大なセキュリティリスクを生じさせる危殆化に該当する。
問10
解答 ア
WAF(Web Application Firewall )とは,Webアプリケーションを攻撃から守ることに特化した製品。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング攻撃など脆弱性を狙った攻撃を検知し,遮断する。
ア 〇 「Webサイトに対するアクセス内容を監視し,攻撃とみなされるパターンを検知したときに当該アクセスを遮断する。」
イ 「Wi-Fiアライアンスが認定した無線LANの暗号化方式の規格であり,AES暗号に対応している。」はWPA2の説明
ウ 「様々なシステムの動作ログを一元的に蓄積,管理し,セキュリティ上の脅威となる事象をいち早く検知,分析する。」はSHIEMの説明
エ 「ファイアウォール機能を有し,マルウェア対策機能,侵入検知機能などの複数のセキュリティ機能を連携させ,統合的に管理する。」はUTM(統合脅威管理)の説明
問11
解答 ウ
E-Rモデルにおける「エンティティ」とは,実体と訳され,E-Rモデルは実体と実体の関連を表すための図。エンティティはその「特性」を表すために複数の「属性(アトリビュート)」を持つ。
ア 「エンティティとインスタンスとは,1対1の対応関係をとる。」エンティティは実世界で管理すべき事物,インスタンスは属性に実際に値を持ったものでレコードをさす。よって,1対多の関係となる
イ 「エンティティとなり得るものは,物的に実現するものである。」物以外の概念もエンティティとなりえる
ウ 〇 「エンティティは,特性を表すための属性(アトリビュート)をもつ。」
エ 「異なった種類のエンティティ間の関係は,主として状態遷移として表現される。」状態遷移図は時間の経過とともに変化する状態の移り変わりを示す図。E-R図とは関係がない
問12
解答 エ
オブジェクト指向プログラミングの特徴のうち,異なるクラスのオブジェクトを同一のインタフェースで操作したときに,操作対象クラスに応じた異なる動作を可能にすることを「多相性」「多態性」「ポリモーフィズム」と呼ぶ。
ア 「委譲」はあるオブジェクトに対する操作をその内部で他のオブジェクトに依頼する仕組み
イ 「継承」とは下位クラスが上位クラスの属性や操作を引き継ぐ仕組み
ウ 「コンポジション」は複数のオブジェクトを部品として用いて,新たな一つのオブジェクトを生成する仕組み
エ 〇 「多相性」
問13
解答 エ
アジャイル開発手法の一つであるスクラムとは少人数のチームがスプリントという短い開発期間を繰り返すことで,顧客のニーズに応じた製品を迅速に開発を行うための手法。プロダクトバックログアイテムとは,開発すべき機能や修正すべきバグなどが記載されたリストで「プロダクトオーナ」がその内容や並び順を決める。
選択肢ウの「スクラムマスタ」はスクラムを円滑に進めるためのファシリテーター。チームがスクラムの原則を理解・実践できるよう導き,プロダクトオーナーを含めたメンバーと連携してチームが最大限の成果を出せるよう支援を行う役割を担っている。
問14
解答 エ
アローダイアグラムにおける最短所要日数とは1日の遅れも許さないクリティカルパスを求める。
開始から終了までの経路は下記の通り。なお,ダミー作業は0として計算する。
A→F→D→I 28日
A→B→C→D→I 28日
A→B→G→D→I 31日
A→E→C→D→I 27日
A→E→G→D→I 30日
A→B→H→I 29日
A→E→H→I 28日
よって31日が最短所要日数となる。
問15
解答 ウ
サーバ室の物理的な安全対策の状況に関しての監査の指摘事項を問う問題。
ア 「サーバが設置されている施設の無人領域では,営業時間中でも,警報装置が作動するようになっている。」は問題ない。
イ 「サーバ室に非常口,避難器具,誘導灯などを設置している。」は問題ない。
ウ 〇 「社外からサーバ室へ直接出入りするドアを設置しているが,出入りを考慮して常時施錠していない。」は部外者がサーバ室へ立ち入ることになりかねないため,指摘事項となる
エ 「場所が分からないように,サーバ室の所在を室外に表示していない。」は問題ない
問16
解答 エ
データマイニングの手法の一つであって,POSなどの蓄積データから“一緒に買われる商品”の組合せを発見する分析手法を「マーケットバスケット分析」という。
ア 「3C分析」は顧客(Customer),競合(Competitor),自社(Company)の3つの視点から事業環境を分析する手法
イ 「ABC分析」は製品やサービスを「重要度」の高い順にA・B・Cの3つのグループに分類し,経営資源の配分を最適化するための手法
ウ 「コンジョイント分析」は商品を購入する際に,値段,デザイン,性能など複数の要素のうちどれが重視されているか定量的に分析する手法
エ 〇 「マーケットバスケット分析」は顧客の購買データから「どの商品が一緒に購入されやすいか」を発見する分析手法
問17
解答 イ
多くの生成AIサービスでは,特別な手続きをしない限りデータが学習に利用される「オプトアウト方式」が採用されている。オプトアウト方式とは利用しないでほしいという意思を伝えることで,自分のデータがAIの訓練に使われるのを防ぐ仕組み。
よって選択肢イの「個々の利用者が入力した情報を,生成AIの学習に利用させたくない場合」にオプトアウト方式を設定する。
問18
解答 エ
ロングテールとは,「売上の全体に対して,あまり売れない商品群の売上合計が無視できない割合になっていること」を指す。そのためには,品ぞろえを豊富にして,在庫維持管理などの費用を抑える必要がある。よって,選択肢エ「豊富な品ぞろえと,在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用」が正解
問19
解答 エ
1客席当たり1日の客数をNとおく。
売上高 = 固定費 + 変動費 + 利益
500N×10席×20日 = 300,000+(100N×10席×20日)+100,000
8N=40,よって,N=5
問20
解答 イ
カーボンフットプリントとは,製品のライフサイクル(原材料の調達,製造,流通,使用,廃棄・リサイクル)に排出する温室効果ガスの排出量を二酸化炭素CO2で換算して示すもの。排出量の「見える化」を通じて,脱炭素社会の実現を目指す取り組み。
ア 「温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする取組」はカーボンニュートラルの説明
イ 〇 「原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を,CO2量に換算して,その値を商品やサービスに表示すること」
ウ 「自動車のエンジンから排出される一酸化炭素,窒素酸化物や炭化水素類などの大気汚染物質の排出量の定め
商品がどのような場所で作られて,流通し,販売されているかを把握するための仕組み」は大気汚染物質排出基準の説明
エ 「商品がどのような場所で作られて,流通し,販売されているかを把握するための仕組み」はトレーサビリティの説明

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