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平成31年度 春期 基本情報技術者[午前]

情報資格取得試験の過去問を解答&解説付きで掲載しています。

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平成31年度(2019年)春期
平成31年度 春期 基本情報技術者[午前]

皆さまからのご意見を参考に,この解説をより良いものにしていきたいと思います。
「私はこう解いた」「こういう説明の方が分かりやすい」など、
具体的なご意見がありましたらお問い合わせフォームへまでお寄せください。


問1
解答 ウ
10進数の演算式7÷32の結果を2進数で表す場合,
(32)10=25 なので,(7)10=(111)2を5bit右シフト。
(FE 16春 27秋 問1と同じ問題)
問2
解答 ウ
上位1ビットが0,下位7ビットが1であるマスク値とのAND演算をおこなえばよい
(FE 18春 問6と同じ問題)
問3
解答 エ
真を1,偽を0と置き換えるとP=1である。((not P)or Q)=1となるためには(not P)=0であるからQ=1である。また,((not Q)or R)=1となるためにはQ=1であるので,(not Q)=0となりR=1である。よって,Q,Rはいずれも真である。
(FE 19秋 問9と同じ問題)
問4
解答 ウ
機械学習には,教師あり学習,教師なし学習,強化学習の3つの学習方法があり,教師あり学習では,正解のデータを提示したり,データが誤りであることを指摘したりすることによって,未知のデータに対して正誤を得ることを助ける。
問5
解答 イ
2分探索木では,すべての節について次の関係が成り立っている。
左の部分木のすべての子の値は,節の値より小さい
右の部分木のすべての子の値は,節の値より大きい
なお,アは昇順のヒープ,エは降順のヒープになっている。
(FE 17春 問12と同じ問題)
問6
解答 ア
スタックとは,後入れ先出し(LIFO)方式でデータを操作する際に利用されるメモリー領域のことであり,popとpushの2つの命令でデータを操作する。
今回のスタックをトレースすると,
A[1,2] B[1,2,3] C[1,2,3,3]

A[1] B[1,2,3] C[1,2,3,3,2]

A[] B[1,2,3] C[1,2,3,3,2,1]

A[] B[1,2,3,1] C[1,2,3,3,2]

A[] B[1,2,3,1,2] C[1,2,3,3]

A[] B[1,2,3,1,2,3] C[1,2,3]
関数f()が終了した後のBの状態は
[1,2,3,1,2,3]
問7
解答 エ
876÷204=商4 余り60 ...引き算の繰返しによる比較4回
204÷60=商3 余り24 ...引き算の繰返しによる比較3回
60÷24=商2 余り12 ...引き算の繰返しによる比較2回
24÷12=商2 余り0 ...引き算の繰返しによる比較2回
(20春 問15と同じ)
問8
解答 ア
再入可能(リエントラント)プログラムを指す。
(16春 問42と同じ)
問9
解答 ウ
外部割込みはプログラム実行以外の要因で起こる割込み。ウ以外はすべてプログラム実行が関わる内部割込み。
(18春 問21と同じ)
問10
解答 イ
キャッシュメモリなしのAとBは主記憶のアクセス時間が実効アクセス時間となる。
キャッシュメモリありの実効アクセス時間は,
(キャッシュメモリのアクセス時間 × ヒット率)+(主記憶のアクセス時間 ×(1-ヒット率))
で求めることができる。
したがって,キャッシュメモリありのCとDは次の計算結果が実効アクセス時間となる。
C 20×0.6+70×(1-0.6)=40ナノ秒
D 10×0.9+80×(1-0.9)=17ナノ秒
(23秋 問11と同じ)
問11
解答 エ
dpiとは,dots per inchの略で,1インチあたりのドットの密度を表す。96dpiであれば,1インチの一辺が96個の点(ドット)から構成されていることになる。1ポイント1/72インチなので,12ポイントの文字の(一辺の)大きさは12/72=1/6インチ。96dpiのディスプレイに1/6インチの文字を描画するので,96×1/6=96÷6=16ドット。
(FE 平成24年秋 問13と同じ問題)
問12
解答 ウ
3Dプリンタとは,液化した材料を吹き付けて立体造形する装置である。
ア 感熱式プリンタの説明
イ プロジェクションマッピングの説明
ウ 〇 3Dプリンタの説明
エ 3Dスキャナの説明
問13
解答 エ
デュアルシステムとは,2台のコンピュータがともに稼働しており結果の照合をおこなう二重化システムのことである。
ア 並列処理システムの説明
イ 負荷分散システムの説明
ウ デュプレックスシステムの説明
エ 〇 デュアルシステムの説明
問14
解答 エ
プリンタは2台ともに停止しているとき (1-C)2のみ不可,クライアントは3台すべて停止しているとき (1-B)3のみ不可。なので,全体の稼働率は A×(1-(1-B)3)×(1-(1-C)2)
(FE 平成28春 問14と同じ問題)
問15
解答 エ
フラグメンテーションとは,記憶領域が断片化した状態を意味する。データベースシステムでは,データの格納状況を確認し,フラグメンテーションが確認された場合,データベースの再編成を行うことで,連続する記憶領域を確保する。
ア 調査項目のaに該当
イ 調査項目のbに該当
ウ 調査項目のdに該当
エ 〇 調査項目のcに該当
(FE 平成25春 問17と同じ問題)
問16
解答 イ
ディスパッチとは,実行可能なタスクを管理し,CPUの使用権を与えることである。
ア タスクスケジューリングの説明
イ 〇 ディスパッチの説明
ウ TCB(タスク制御ブロック)の説明
エ マルチタスクの説明
問17
解答 ア
デバイスドライバとは,周辺装置を制御するソフトウエアである。
ア 〇 デバイスドライバの説明
イ インストーラの説明
ウ RPAの説明
エ マルウエアの説明
問18
解答 エ
ハッシュ法とは,格納するデータから格納場所(添字)を求めるハッシュ表を利用した探索アルゴリズムである。目的値から,データの格納場所を計算(ハッシュ関数)によって求められるため,基本的には1回の探索で目的値を見つけることができる。
ア シソーラスの説明
イ データマイニングの説明
ウ セマンティック検索の説明
エ 〇 ハッシュ法の説明
問19
解答 ア
インタプリタとは,高水準言語で書かれた原始プログラムを1命令ずつ翻訳して実行する言語プロセッサである。
ア 〇 インタプリタの説明
イ トランスレータの説明
ウ コンパイラの説明
エ ローダの説明
問20
解答 エ

OSI(Open Source Initiative)によるオープンソースソフトウェアの定義として次の10項目が挙げられる。
1.再頒布の自由
2.ソースコード
3.派生ソフトウェア
4.作者のソースコードの完全性(integrity)
5.個人やグループに対する差別の禁止
6.利用する分野(fields of endeavor)に対する差別の禁止
7.ライセンスの分配(distribution)
8.特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
9.他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
10.ライセンスは技術中立的でなければならない
ア 「5.個人やグループに対する差別の禁止」の説明
イ 「1.再頒布の自由」の説明
ウ 「3.派生ソフトウェア」の説明
エ 〇 再配布しない場合は改変部分のソースコードを公開する必要はない
(FE 平成21春 問23と同じ問題)
問21
解答 エ
フリップフロップ回路とは,論理回路内の入力とそれ以前の状態によって出力が決まる順序回路である。
ア DRAM(Dynamic RAM)は,SRAMと比較して低速だが集積度が高く,主に主記憶装置で使われる。電荷でビットを記憶するのでリフレッシュ動作が必要
イ RDRAM(Rambus社型 DRAM)
ウ SDRAM(同期型 synchronous DRAM)
エ ○ SRAM(Static RAM)は,DRAMと比較して集積度が低いが高速動作する。フリップフロップ回路によってビットを記憶する
(FE 平成28春 問22と同じ問題)
問22
解答 イ
NAND回路は,AND(論理積)演算の結果にNOT(否定)演算を行なったもの。1 AND 1 は1,NOT 1 は0。よってNAND回路である。
(FE 平成21秋 問24と同じ問題)
問23
解答 ア
直流給電とは,屋内配線を直流化し,電気製品への電源供給を直流行うことである。
ア 〇
イ 降圧が必要になる
ウ 停電防止はできない
エ 直流の変圧に手間がかかる
問24
解答 ウ
ラジオボタンは排他的な複数項目のうち1つだけしか選択できない。
ア チェックボックスの説明
イ コンボボックスの説明
ウ 〇 ラジオボタンの説明
エ リストボックスの説明
(FE 平成21春 問26と同じ問題)
問25
解答 ウ
8bit=1Byteなので,1分間の音声データのサイズは 1Byte×11k回×60秒=660KByte=0.66MByte。512MByte÷0.66MByte≒775.76分,これを切り捨てて775分。
(FE 平成28秋 問25と同じ問題)
問26
解答 イ
関係モデルとは,データを2次元の表形式で表した論理データモデルである。
ア 定義域が重複しても問題ない
イ 〇 属性の並びに意味はない
ウ 関係内の属性は一意ではなくてはいけない
エ 必ず属性名を付ける必要がある
問27
解答 イ

「クラスごと,教科ごと」という表現から「GROUP BY クラス名,教科名」という指定となる。「クラス名,教科名の昇順」という表現から「ORDER BY クラス名,教科名」という指定となる。
(FE 平成25春 問28と同じ問題)
問28
解答 イ
表Xから表Yは指定された列だけ抽出しているので,「射影(projection)」。
問29
解答 ウ
WHEREの複合条件に,学部テーブルの属性「学部.住所='新宿'」があるのでウが正解。
(FE 平成17秋 問62と同じ問題)
問30
解答 エ
キーバリューストアとは(KVS),キーと値の組合せでデータ管理を行うことである。
ア グラフ型データベースの説明
イ ドキュメント指向データベースの説明
ウ 関係データベースの説明
エ 〇 キーバリューストア型の説明
問31
解答 ア
トランスポート層とは,OSI(開放型システム間相互接続)の第4層のことである。
ア 〇 4層(トランスポート層)以上:ゲートウェイ
イ 2層(データリンク層):ブリッジ
ウ 1層(物理層):リピータ
エ 3層(ネットワーク層):ルータ
(FE 平成29春 問31と同じ問題)
問32
解答 エ
IPv4アドレスは32ビットのため,"/23"は先頭から23ビット目までがネットワークアドレスであることを表している。そのため,ホストアドレスに割り当てられるのは残る9ビットとなり,表現できるビット列は「29=512種類」。全てが0の"000000000"と全てが1の"111111111"は,それぞれネットワークアドレス,ブロードキャストアドレスとして予約されているためホストアドレスとして割り当てできないので,割当て可能なアドレス数の上限は(512-2)=510個となる。
問33
解答 エ
コネクション型のTCPとは異なり,データグラム型のUDPはコネクションも応答確認も再送信もない分(つまり信頼性は低い),処理負荷が軽い(つまりリアルタイム性が高い)。
ア HTTPはアプリケーション層のプロトコル
イ IPはネットワーク層のプロトコル
ウ TCPはリアルタイム性よりも信頼性を重視するプロトコル
エ ○ 
(FE 平成29秋 問34と同じ問題)
問34
解答 ア
ポート番号は,送信元のプログラムと宛先のプログラムを識別するための番号である。PC側で割り当てたポート番号は50001であり,Webサーバ側のポート番号は80である。WebサーバからPCへの戻りなので,送信元のポート番号は80で,宛先のポート番号は50001となる。
(FE 平成28春 問35と同じ問題)
問35
解答 ウ
SDNとは(Software-Defined Networking),仮想ネットワークをソフトウェアで制御するネットワーク技術である。OpenFlowはデータ転送に特化したネットワーク機器とソフトウェアによる経路制御の組合せで実現する方式である。
ア EPC(Electronic Product Code)ネットワークの説明
イ コンテンツデリバリネットワーク(content delivery network,CDN)の説明
ウ ○ SDNとは(Software-Defined Network),仮想的なネットワークをソフトウェアにより定義することができる技術
エ UMLの説明
(FE 平成29春 問35と同じ問題)
問36
解答 ア
キャプチャとは(CAPTCHA),データ入力している相手が人間であることを確認するため,意図的にコンピュータには読み取りづらく歪められた文字列画像。プログラムによる自動投稿や大量の自動ユーザー登録を排除するために用いられる。
ア 〇 CAPTCHAの目的
イ ハイブリット暗号方式
ウ パケットキャプチャソフトやLANアナライザ
エ CRYPTRECの説明
問37
解答 ウ
パスワードリスト攻撃とは,不正に取得したユーザIDとパスワードを使用して別のサイトへログインを試みる方式である。
ア 辞書攻撃の説明
イ 攻撃対象の利用者IDを定めてパスワードを総当たり試行する
ウ ○ パスワードリスト攻撃の説明
エ 総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)の説明
問38
解答 ア
メッセージダイジェストとは(MD: Message Digest),原文データを一方向性ハッシュ関数に与えることで得られる固定長のデータである。原文に対するデータ変更が微少なものであっても大きく異なるMD値が出力されるため,改ざんの検出に広く用いられている。
(FE 平成28秋 問38と同じ問題)
問39
解答 ア
楕円曲線暗号とは(ECC,Elliptic Curvc Cryptography),RSA暗号と比べて,鍵長が短く,かつ処理が速いにもかかわらず,同レベルの強度がある暗号方式の総称。現在主流であるRSA暗号に代わる後継の暗号方式として期待されている。
ア 〇 楕円曲線暗号の説明
イ 楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式である
ウ 解読が難しいことが安全性の根拠としている
エ 暗号化鍵を公開し,復号鍵を秘密にしている
問40
解答 ア
リスクファイナンシングとは,リスクが顕在化した場合に,その損害から復旧させるために,金銭面の損害額を補う方法である。リスクそのものは低減されない。4種のリスク対応のうち,リスク共有のリスク移転(保険で補う)・リスク保有(自己負担で補う)が該当する。
問41
解答 イ
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS: Information Security Management System)のモデルを提供するISO/IEC 27000ファミリー規格は10以上の規格群で構成されている。その中の一つであるISO/IEC 27000では,ISMSの用語(Overview and vocabulary)について規定している。
ア 「一つ以上の脅威によって付け込まれる可能性のある,資産又は管理策の弱点」は「脆弱性」の定義である。
イ ○ 「結果とその起こりやすさの組合せとして表現される,リスクの大きさ」は「リスクレベル」の定義である。
ウ 「対応すべきリスクに付与する優先順位」に対応する用語はISO/IEC 27000中にはない。
エ 「リスクの重大性を評価するための目安とする条件」は「リスク基準」の定義である。
問42
解答 ア
米国の犯罪学者D.R.クレッシーが提唱した「不正のトライアングル」理論に関する出題。不正行為は (1)機会,(2)動機・プレッシャー,(3)正当化 という3要素がすべてそろった場合に発生するとされる。
ア ○ 「機会」に対応する文。
イ 不正のトライアングルの3要素に対応しない。
ウ 「動機・プレッシャー」に対応する文。
エ 「正当化」に対応する文。
問43
解答 ア
IPsecは,ネットワーク層(IPパケットレベル)で暗号化や改ざん検出を提供するプロトコルである。認証と改ざん検出機能を提供するがデータは暗号化しない「認証ヘッダ(AH)」,および,データ暗号化を提供する「暗号ペイロード(ESP)」のプロトコルを含んでいる。
問44
解答 ウ
ハニーポットとは(蜜の壺),侵入者やマルウェアの挙動を調査するために,意図的に脆弱性をもたせて侵入者やマルウェアをおびき寄せるために設置する,囮(おとり)のシステム(またはネットワーク)のことである。
問45
解答 イ
ファジングとは,ソフトウェアの脆弱性を検出する手法の一つである。ファズ(fuzz)と呼ばれる予測不可能な入力データを自動化ツールで大量に送り込み,そのときのシステムの応答や挙動を監視することで脆弱性を検出する。
問46
解答 ア
UMLに関する出題。
ア ○ 「ある振る舞いから次の振る舞いへの制御の流れを表現する」は,アクティビティ図に対応する。
イ 「オブジェクト間の相互作用を時系列で表現する」は,シーケンス図に対応する。
ウ 「システムが外部に提供する機能と,それを利用する者や外部システムとの関係を表現する」は,ユースケース図に対応する。
エ 「一つのオブジェクトの状態がイベントの発生や時間の経過ともにどのように変化するかを表現する」は,ステートマシン図(状態遷移図)に対応する。
問47
解答 イ
プログラムの内部構造に着目(選択肢ウ),プログラムの命令や分岐に対する網羅率(選択肢ア),分岐命令やモジュールの数が増えるとテストデータが急増(選択肢エ)は,すべてホワイトボックステストに対応する。ブラックボックステストに対応するのは,「被テストプログラムに冗長なコードがあっても検出できない」(選択肢イ)のみ。
問48
解答 ウ
テストの実行結果を基に(選択肢イ),プログラム実行時の動作特性に関するデータを計測(選択肢エ),テストデータや入力ファイルを自動的に生成(選択肢ア)はすべて,対象プログラムを実行することでテストをおこなう動的テストに対応する。
「文法上の誤りや論理的な誤りを,ソースコードを分析して調べる」(選択肢ウ)のみが,対象プログラムを実行しない静的テストに対応する。
問49
解答 ア
プログラム中の潜在不良の数 = 2,000kステップ × 0.04件/kステップ = 80件
初年度に発見される不良の数 = 80件 × 0.2 = 16件
そのうち影響度大の不良の数 = 16件 × 0.2 = 3.2件
影響度大の不良の修正費用 = 3.2件 × 200万円/件 = 640万円
問50
解答 ア
Ajaxとは(エイジャックス),Asynchronous JavaScript + XML の略であり,英単語asynchronousは「非同期」という日本語に対応する。JavaScriptの非同期通信の機能を使うことによって,動的なユーザインタフェースを画面全体の遷移を伴わずに実現する技術である。
問51
解答 イ

プロジェクトとは「独自のプロダクト,サービス,所産を創造するために実施される有期的な業務」と定義される。過去に経験した通常業務の再実施ではない「独自性」のある新たな試みを,開始時点と終了時点が決められた「有期性」の期間内に成し遂げるためには,まず最初に「プロジェクトの目標,成果物,要求事項及び境界を明確に」して,変更が生じるたびにその影響をマネジメントする必要がある。このような,プロジェクトが生み出す成果物の定義,および,成果物を生み出す作業の定義を,プロジェクトのスコープ(範囲:scope)と呼ぶ。
問52
解答 エ
アローダイアグラム(問53参照)で表現できる依存関係が「ある作業の終了が別の作業の開始に繋がる」という 終了-開始(FS: Finish to Start)関係であるのに対して,プレシデンスダイアグラムは SS,FS,SF,FF といった依存関係を表現できる。プレシデンスダイアグラム法(PDM)で用いられる図については,平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午後問題 問10 を参照のこと。
ア 開始-開始(SS: Start to Start)関係
イ 終了-開始(FS: Finish to Start)関係
ウ 終了-終了(FF: Finish to Finish)関係
エ ○ 開始-終了(SF: Start to Finish)関係
問53
解答 エ
クリティカル・パス(余裕時間のない経路)は,A→B→E→H→J の12日間。
問54
解答 イ
システム全体のコーディングの所要工数は,
(1人日/本)×20本 + (3人日/本)×10本 + (9人日/本)×5本 = 95人日
これに設計及びテストの作業を加えると,
95人日 + 95人日×8倍 = 95人日×9倍
これを95日間で開発するので,
(95×9)人日 / 95日 = 9人
問55
解答 イ
ベンチマーク(benchmark)は(測量の)基準点・水準点という意味の英単語。
ベンチマーキングとは,ベストプラクティス(経営や業務においてもっとも優れた実践方法)を見つけ出し,自社の現状とのギャップを分析してそのギャップを埋めるためのプロセス変革を進めるという経営管理手法。
問56
解答 ア
ア ○ 移行テストに対応する文。
イ 運用テストに対応する文。
ウ 結合テストに対応する文。
エ 単体テストに対応する文。
問57
解答 エ
ロールフォワードとは(前進復旧),フルバックアップ時点のデータを復元した後,フルバックアップ取得時以降に実行されたトランザクションの更新後ログを時系列順に適用させて,障害発生直前時点にまでデータベースの中身を回復させていく復旧方法。
問58
解答 ア
ア ○ インタビューで監査対象部門から得た情報を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。
イ インタビューの中で不備事項に気が付いても,その場で監査対象部門に改善を指示することはない。
ウ 監査対象部門内の実際の担当者をインタビューの対象者として選ぶ。監査対象部門内の監査業務を経験したことのある管理者である必要はない。
エ インタビュー内容と方法を示したマニュアルを準備することで,複数の監査人でインタビューを担当しても記録内容を公平なものにできる。
問59
解答 エ
システム監査人の外観上の独立性を担保する,に対応するのは,システム監査人の所属部署を内部監査部門とする(選択肢エ)だけである。ア・イ・ウは外観上の独立性とは無関係。
問60
解答 エ
選択肢エ「バックアップを取得した電子記録媒体を,業務システムが稼働しているサーバの近くで保管していた」という行為は問題であり,指摘事項として監査報告書に記載すべきである。
これは情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)における次の条項に対応する。
「12.3.1.6 バックアップ情報は,主事業所の災害による被害から免れるために,十分離れた場所に保管する。」
問61
解答 イ
エンタープライズアーキテクチャとは(EA),組織の構造と機能を全体的に記述し,戦略的目標に向けたビジネスの全体最適化を考えるための技法。マネジメント用語であり,何らかのコンピュータシステムの仕組みを示す用語ではない。
EAは次の選択肢に登場する4つのカテゴリで構成される。
ア データアーキテクチャに対応する文。
イ ○ アプリケーションアーキテクチャに対応する文。
ウ テクノロジーアーキテクチャに対応する文。
エ ビジネスアーキテクチャに対応する文。
問62
解答 エ
オンデマンドとは(on demand),「要求に応じて,その都度」という意味の英単語。
問63
解答 イ
BIとは(ビジネスインテリジェンス:Business Intelligence),ビジネスに関わる膨大なデータを蓄積し,そのデータを経営者や社員が自ら分析して,分析結果を業績評価や経営戦略の策定など企業の意思決定に役立てるもの。
問64
解答 イ
ア c「一定期間ごとに,顧客個々にフィードバック」に該当する事例。
イ ○ d「即時に,顧客個々にフィードバック」に該当する事例。
ウ a「一定期間ごとに,顧客全体にフィードバック」に該当する事例。
エ b「即時に,顧客全体にフィードバック」に該当する事例。
問65
解答 ア
ROIとは(投下資本利益率:Return On Investment),投下した資本に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標。ROI = 利益/投資額×100% である。
a ( 15+ 30+ 45+ 30+ 15)/100 ×100% = 135%
b (105+ 75+ 45+ 15+ 0)/200 ×100% = 120%
c ( 60+ 75+ 90+ 75+ 60)/300 ×100% = 120%
d (105+105+105+105+105)/400 ×100% = 131.25%
よって最もROIが高いのはアのa。
問66
解答 エ
非機能要件とは,可用性・性能・信頼性・拡張性・運用性・保守性・移行性・使いやすさ・セキュリティなど,機能要件以外にシステムに求められるさまざまな要件を指す。
問67
解答 イ
コアコンピタンスとは,他社よりも優越した自社独自のスキルや技術などの強み,自社の競争優位の源泉となる核(コア)を指す。
問68
解答 イ
ア チャレンジャ(挑戦者:challenger,市場シェア2~3位)は差別化戦略をとる。
イ ○ ニッチャー(隙間を突く者:nicher,わずかな市場シェア)は,特定顧客・特定製品のセグメントに資源を集中する専門化戦略をとる。
ウ フォロワー(追随者:follower,市場シェア4位以下の企業)は模倣戦略をとる。
エ リーダー(先導者:leader,市場シェア1位の企業)は全方位戦略をとる。
問69
解答 イ
コンバージョンとは(conversion),「変換・転換」という意味を持つ英単語であり,ネット広告の分野では,単なるWebサイト訪問者であった者が商品に関心を持って(見込み)顧客に転換した,顧客候補としての行動を起こしたことを指す。
ア ROASとは(広告費用対効果:Return On Advertising Spend),広告経由の売上 / 広告費用 ×100% で計算できる指標。今回の問題文は,画面デザインの見直しによる効果について質問しており,広告は打っていない。
イ ○
ウ 今回の問題文は,画面デザインの見直しによる効果について質問しており,広告は打っていない。
エ サイトの閲覧数が分かるだけで,購入に至った人数は捉えられない。
問70
解答 イ
イノベーションとは(innovation),「革新・刷新・新基軸」という意味の英単語。イノベーションは,次の2つに大別できる。
プロダクトイノベーション...革新的な新材料,革新的な新製品を作り出すこと。
プロセスイノベーション...革新的な生産方法,革新的な流通方法を生み出すこと。
ア イノベーション(革新)ではない。
イ ○ プロセスイノベーションに対応する文。
ウ プロダクトイノベーションに対応する文。
エ イノベーション(革新)ではない。
問71
解答 エ
HEMS(Home Energy Management System)とは,太陽光発電装置などのエネルギー機器,家電機器,センサ類などを家庭内通信ネットワークに接続して,エネルギーの可視化と消費の最適制御を行うことである。
ア 工場内の機械に取り付けたセンサで振動,温度,音などを常時計測し,収集したデータを基に機械の劣化状態を分析して,適切なタイミングで部品を交換するのは,「予防保全」
イ 自動車に取り付けたセンサで車両の状態,路面状況などのデータを計測し,ネツトワークを介して保存し分析することによって,効率的な運転を支援するのは,ADAS((Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)
ウ 情報通信技術や環境技術を駆使して,街灯などの公共設備や交通システムをはじめとする都市基盤のエネルギーの可視化と消費の最適制御を行うのは,
エ 〇正しい
問72
解答 エ
CGM(Consumer Generated Media)とは,個人が,自らが使用した商品などの評価に関する情報を,不特定多数に向けて発信するブログやSNSなどのWebサイトを意味する。
問73
解答 エ
シェアリングエコノミーとは,ソーシャルメディアのコミュニティ機能などを活用して,主に個人同士で,個人が保有している遊休資産を共有したり,貸し借りしたりする仕組みである。
ア ITの活用によって経済全体の生産性が高まり,インフレなき成長が持続するという概念はニューエコノミー。
イ ITを用いて,再生可能エネルギーや都市基盤の効率的な管理,運営を行い,経済発展を実現するという概念はスマートシティ。
ウ 実店舗販売とインターネット販売を組み合わせ,それぞれの長所を生かして連携させる仕組みはクリック&モルタル。
エ 〇正しい
問74
解答 ウ
液晶ディスプレーなどに映像や文字などを表示させる電子看板。通信ネットワークを利用して,表示内容をリアルタイムで更新できるものもある。
ア 情報技術を利用する機会や能力によって,地域間や個人間に生じる経済的又は社会的な格差は,デジタルディバイド。
イ 情報の正当性を保証するために使用される電子的な署名は,デジタル署名。
ウ 〇正しい
エ 不正利用を防止するためにデータに識別情報を埋め込む技術は電子透かし。
問75
解答 イ
企業が社会的責任を果たすために実施すべき施策のうち,環境対策の観点から実施するものには「グリーン購入」があげられる。グリーン購入とは,製品やサービスを購入する際に,環境を考慮して,必要性をよく考え,環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入することであり,平成12年5月に循環型社会形成推進基本法の個別法のひとつとして「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定された。
問76
解答 エ
カンパニー制とは,社内の各部門や事業をそれぞれ独立した会社のように扱い,経営資源配分の効率化,意思決定の迅速化,創造性の発揮を促進する制度。
ア カンパニー制は,実際に部門を切り離して別会社として独立させるわけではない。
イ 合併,買収によって,自社にない経営資源を相手企業から得るのはM&A。
ウ 時間を掛けて研究・開発を行い,その成果を経営戦略の基礎とするのは「技術経営」(MOT:Management of Technology)
エ 〇正しい
問77
解答 ア
特性要因図とは,原因と結果の関連を魚の骨のような形態に整理して体系的にまとめ,結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にしたもので,直接的な原因と間接的な原因に分別したり,真の問題点を分析するときに用いられる。
問78
解答 エ
商品の購入需要があったのにもかかわらず、在庫切れなどが原因で販売が行えず,利益を上げる機会を逃すことを「機会損失」という。
5つの商品のうち,仕入数よりも需要数が大きいものは,A,D,Eの3つ。さらに,機会損失の金額は,(需要数-仕入数)×利益で計算できるため,
商品A:(1,500-1,400)×1,000円=100,000円
商品D:(700-500)×4,000=800,000円
商品E:(500-200)×5,000=1,500,000円
3つの商品の合計:100,000+800,000+1,500,000=2,400,000円=2,400千円
問79
解答 エ
著作者の権利は,著作者人格権と著作権(財産権)の二つがある。そのうちの、著作者人格権は,未公表の著作物を公表するか否かを決める権利の「公表権」,著作物に著作者名を表示するかしないかなどを決める権利の「氏名表示権」,著作物の内容や題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利「同一性保持権」が含まれる
問80
解答 ウ
ア ANSI(American National Standards Institute)は,米国の工業製品に関する規格を制定する標準化組織。
イ IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)は,電気通信関連の仕様を標準化する団体で,米国に本部を持つ。
ウ 〇IETF(Internet Engineering Task Force)は,インターネット技術の標準化を推進する組織で,標準化が行われた規格は,技術仕様などについての文書群である「RFC」として策定している。
エ NIST(National Institute of Standards and Technology)は,工業製品に関する標準化や科学技術分野の基礎研究,標準暗号の策定などを行っている米国の研究機関。

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