令和5年度(2023年)春期
令和5年度 基本情報技術者[午前]
皆さまからのご意見を参考に,この解説をより良いものにしていきたいと思います。
「私はこう解いた」「こういう説明の方が分かりやすい」など、
具体的なご意見がありましたらお問い合わせフォームまでお寄せください。
なお、令和5年度 基本情報技術者試験 解答速報については、公開されている一部の問題(科目A)の解答となりますので、予めご承知おきください。
- 問1
- 解答 エ
- (0.C)16=(0.1100)2。これは 1/2(=0.5) の位と 1/4(=0.25) の位にビットがあるので合わせて 0.75となる。
- 問2
- 解答 ウ
-
追加前のリストの状態は,社員A⇔社員K⇔社員Tである。
追加後のリストの状態は,社員A⇔社員G⇔社員K⇔社員Tである。
したがって,社員Aの次ポインタと社員Kの前ポインタが,社員Gのアドレスである400に変更されることになる。
- 問3
- 解答 エ
-
メモリインタリーブとは主記憶を複数の独立して動作するグループ(メンバ)に分けて,並列的にアクセスしメモリへのアクセスを高速化する技法
ア 「主記憶と入出力装置,又は主記憶同士のデータの受渡しをCPU経由でなく直接やり取りする方式」はDMA (Direct Memory Access)の説明
イ 「主記憶にデータを送り出す際に,データをキャッシュに書き込み,キャッシュがあふれたときに主記憶へ書き込む方式」はキャッシュメモリにおけるライトバック(write back)の説明
ウ 「主記憶のデータの一部をキャッシュにコピーすることによって,レジスタと主記憶とのアクセス速度の差を縮める方式」はキャッシュメモリの説明
エ ○
- 問4
- 解答 エ
-
エッジコンピューティングとは,IoTで活用されている技術で利用者側の機器(デバイス)の近くにサーバーを設置しデータを一次処理する技法。クラウド上のサーバーにデータを送る前にデータの加工を行い,加工されたデータのみをサーバーに送るため,ネットワーク負荷が低減される。
ア 「画面生成やデータ処理をクライアント側で実行することによって,Webアプリケーションソフトウェアの操作性や表現力を高めること」はリッチクライアントの説明
イ 「データが送信されてきたときだけ必要なサーバを立ち上げて,処理が終わり次第サーバを停止してリソースを解放すること」はサーバレスアーキテクチャの説明
ウ 「複数のサーバやPCを仮想化して統合することによって一つの高性能なコンピュータを作り上げ,並列処理によって処理能力を高めること」はグリッドコンピューティングの説明
エ 〇 「利用者や機器に取り付けられたセンサなどのデータ発生源に近い場所にあるサーバなどでデータを一次処理し,処理のリアルタイム性を高めること」はエッジコンピューティングの説明
- 問5
- 解答 イ
-
クリッピングとは様々なメディアの情報から必要な記事を「切り抜くこと」
ア 「CG映像作成における最終段階として,物体のデータをディスプレイに描画できるように映像化する処理である。」はレンダリングの説明
イ ○ 「画像表示領域にウィンドウを定義し,ウィンドウの外側を除去し,内側の見える部分だけを取り出す処理である。」は クリッピングの説明
ウ 「スクリーンの画素数が有限であるために図形の境界近くに生じる,階段状のギザギザを目立たなくする処理である。」はアンチエイリアシングの説明
エ 「立体感を生じさせるために,物体の表面に陰影を付ける処理である。」はシェーティングの説明
- 問6
- 解答 ウ
-
〔関数従属〕
{注文コード,商品コード} → {顧客注文数量,注文金額}
注文コード → {注文日,顧客コード,注文担当者コード}
商品コード → {商品名,仕入先コード,商品販売価格}
仕入先コード → {仕入先名,仕入先住所,仕入担当者コード}
顧客コード → {顧客名,顧客住所}
ア 「仕入先コード → 仕入担当者コード → 仕入先住所」 仕入先コード→仕入れ先担当者コードは成立するが,仕入担当者コード → 仕入先住所は成立しない
イ 「商品コード → 仕入先コード → 商品販売価格」 商品コード→仕入先コードは成立するが,仕入先コード → 商品販売価格は成立しない
ウ 〇 「注文コード → 顧客コード → 顧客住所」 注文コード→顧客コードは成立する。顧客コード →顧客住所は成立する
エ 「注文コード → 商品コード → 顧客注文数量」 注文コード→商品コードは成立しない
- 問7
- 解答 イ
-
データベースに対する更新処理を完全に行うか,全く処理しなかったのように取り消すか,のどちらかの結果になることを保証する特性を「原子性(atomicity)」という。
ア 一貫性(consistency)とは,データベースの整合性が崩れてはならない特性
イ ○
ウ 耐久性(durability)とは,コミット後に障害が発生しても,一度確定したデータはいつまでも残る特性
エ 独立性(Isolation)とは,トランザクションが同時に実行されても,互いに干渉しない特性
- 問8
- 解答 エ
-
IPv4ネットワークにおいて,ネットワークの意思疎通に使われるものはpingコマンド。
ア BOOTPとは,DHCP以前に作られた単機能なホスト構成プロトコル
イ DHCPとは,BOOTPの後に作られた高機能なホスト構成プロトコル
ウ MIBとは(Management Information Base)単純なネットワーク管理プロトコル(SNMP)で使われる木構造のデータ
エ ○ pingとは,ICMP(Internet Control Message Protocol)を使用して通信状態の診断に使用されるコマンド
- 問9
- 解答 ウ
-
ドライブバイダウンロードとはWebサイトを閲覧しただけで,PCにウイルスなどを感染させる攻撃
ア 「PCから物理的にハードディスクドライブを盗み出し,その中のデータをWebサイトで公開し,ダウンロードさせる。」は物理的に盗む攻撃ではない
イ 「電子メールの添付ファイルを開かせて,マルウェアに感染したPCのハードディスクドライブ内のファイルを暗号化し,元に戻すための鍵を攻撃者のサーバからダウンロードさせることと引換えに金銭を要求する。」は,ランサムウェアの説明
ウ 〇 「利用者が悪意のあるWebサイトにアクセスしたときに,Webブラウザの脆弱性を悪用して利用者のPCをマルウェアに感染させる。」は,ドライブバイダウンロードの説明
エ 「利用者に気付かれないように無償配布のソフトウェアに不正プログラムを混在させておき,利用者の操作によってPCにダウンロードさせ,インストールさせることでハードディスクドライブから個人情報を収集して攻撃者のサーバに送信する。」は,スパイウェアの説明
- 問10
- 解答 ウ
-
WAFとはWeb Application Firewallの略で,Webサイトに対するアクセス内容を監視し,攻撃とみなされるパターンを検知したときに当該アクセスを遮断するファイアウォール。
WAFには通信を暗号化したり,復号したりする機能はないため,HTTPS通信を利用しているa,bの箇所では利用することができない。また,Webサイトへの攻撃を遮断することが目的なのでcが最も適切な場所となる。
- 問11
- 解答 エ
-
①
m=a
n=b
②→③→⑤
n=(bーa)となる。●1
②→③→④
m=a-(bーa)となる。●2
②→⑥
mを●2,nを●1に置き換えると
a-(bーa)=(bーa)よって3a=2bが成立する
- 問12
- 解答 ウ
-
アジャイル開発のスクラムとは複雑で変化の激しい問題に対応するためのシステム開発のフレームワークであり,反復的かつ漸進的な手法として定義したものである。
スクラムでは要件定義→設計→開発→テスト→リリースの単位をスプリントと呼び,スプリントを繰り返すしながら開発を進めていく。
なお,スクライムガイドでは,スクラムイベントとしてこの選択肢の4つのイベントを正式なイベントとして定義しており,こうした一連の流れによってアジャイルのスプリントが繰り返し行われる。
ア 「スプリントプランニング」とはスプリントの最初に行うイベントで,スクラムのチーム全体でスプリントの作業計画を立てるイベント
イ 「スプリントレビュー」とはスプリント終了時にステークフォルダから成果に対してフィードバックをもらうためのイベント
ウ 〇 「デイリースクラム」とは毎日15分程度実施され,開発チームの全員が1人ずつ"昨日やったこと","今日やること","障害になっていること"などを話し,全員でプロジェクトの状況を共有するイベント
エ 「レトロスペクティブ」とは,スプリント終了時に開発者がスプリントを振り返るイベント。成果より,やり方を見直し,次回スプリントに反映する
- 問13
- 解答 エ
-
クリティカルパスはA→B→E→Gなので,B,E,Gのいずれかを1日短縮すればよい。
Bの費用増加率は6日,Eの費用増加率は2.5日,Gの費用増加率は5日であることから一番増加費用の少ないEを短縮すればよい。
- 問14
- 解答 ウ
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監査人は問題点を指摘事項として監査報告書に記載する。
ア 「テレワーキング運用規程に従うことを条件に,全ての従業員が利用できる。」は問題ない
イ 「テレワーキングで従業員が使用するPCは,A社から支給されたものに限定する。」は問題ない
ウ 〇 「テレワーキングで使用するPCへのマルウェア対策ソフト導入の要不要は,従業員それぞれが判断する。」は問題となる。マルウェア対策などセキュリティ対策は組織が基準を定め,従業員に対して順守させなければならない
エ 「テレワーキングで使用するPCを,従業員の家族に使用させない。」は問題ない
- 問15
- 解答 エ
- ハイブリッドクラウドとはパブリック(汎用)クラウドやプライベート(自社専用)クラウド,オンプレミス環境(自社運用システム)を組み合わせてひとつのシステムとして利用する形態
- 問16
- 解答 イ
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ダイバーシティマネジメントとは多様性を重視し組織の活力を向上させる管理手法。
ア 「従業員が仕事と生活の調和を図り,やりがいをもって業務に取り組み,組織の活力を向上させることである。」はワークライフバランスの説明
イ 〇 「性別や年齢,国籍などの面で従業員の多様性を尊重することによって,組織の活力を向上させることである。」はダイバーシティマネジメントの説明
ウ 「自ら設定した目標の達成を目指して従業員が主体的に業務に取り組み,その達成度に応じて評価が行われることである。」はMBO(Management by Objectives)目標による管理の説明
エ 「労使双方が労働条件についての合意を形成し,協調して収益の増大を目指すことである。」は労使協調の説明
- 問17
- 解答 ウ
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ERPとは全社的資源計画と訳され,経営資源の一元管理を目的としたシステム。
ア 「営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め,売上・利益の大幅な増加や,顧客満足度の向上を目指す手法・概念である。」は営業支援の自動化(SFA:Sales Force Automation)の説明
イ 「卸売業・メーカが小売店の経営活動を支援することによって,自社との取引量の拡大につなげる手法・概念である。」は小売店支援(リテールサポート)の説明
ウ 〇 「企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の効率向上を図るための手法・概念である。」は全社的資源計画 (ERP: Enterprise Resource Planning)の説明
エ 「消費者向けや企業間の商取引を,インターネットなどの電子的なネットワークを活用して行う手法・概念である。」は電子商取引 (EC: Electronic Commerce)の説明
- 問18
- 解答 ウ
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ア 「新しい製品及び新技術の採用には懐疑的で,周囲の大多数が採用している場面を見てから採用する層」はレイトマジョリティの説明
イ 「新商品,サービスなどを,リスクを恐れず最も早い段階で受容する層」はイノベータの説明
ウ 〇 「新商品,サービスなどを早期に受け入れ,消費者に大きな影響を与える層であり,流行に敏感で,自ら情報収集を行い判断する層」はアーリーアダプタの説明。インフルエンサーともよばれる
エ 「世の中の動きに関心が薄く,流行が一般化してからそれを採用することが多い層であり,場合によっては不採用を貫く,最も保守的な層」はラガードの説明
- 問19
- 解答 エ
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ア 「経営戦略の立案及び業務執行を統括する最高責任者」はCEO(Chief Executive Officer)最高責任者の説明
イ 「資金調達,財務報告などの財務面での戦略策定及び執行を統括する最高責任者」はCFO(Chief Financial Officer)最高財務責任者の説明
ウ 「自社の技術戦略や研究開発計画の立案及び執行を統括する最高責任者」はCTO(Chief Technology Officer)最高技術責任者の説明
エ 〇 「情報管理,情報システムに関する戦略立案及び執行を統括する最高責任者」はCIO(Chief Information Officer)最高情報責任者の説明
- 問20
- 解答 ア
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ボリュームライセンス契約とは企業や学校などソフトウェアを大量に利用する団体に向けて利用できる台数を決めて販売する形態。
ア 〇 「企業などソフトウェアの大量購入者向けに,インストールできる台数をあらかじめ取り決め,ソフトウェアの使用を認める契約」はボリュームライセンス契約の説明
イ 「使用場所を限定した契約であり,特定の施設の中であれば台数や人数に制限なく使用が許される契約」はサイトライセンス契約の説明
ウ 「ソフトウェアをインターネットからダウンロードしたとき画面に表示される契約内容に同意するを選択することによって,使用が許される契約」はクリックラップ契約(オンクリック契約)の説明
エ 「標準の使用許諾条件を定め,その範囲で一定量のパッケージの包装を解いたときに,権利者と購入者との間に使用許諾契約が自動的に成立したとみなす契約」はシュリンクラップ契約の説明